3点セットの役割分担

3つとも揃える必要はありません。授業の形に合わせて組み合わせを選んでください。

本体アプリ

生徒が各自のデバイスで直接入力していく形。入力はブラウザに自動保存されるので、複数コマにまたがる調べ学習にも向く。ガイド・ヒントが画面内に内蔵されているため、個別支援が難しい大人数クラスでも自走しやすい。

印刷ワークシート

PC・タブレットが人数分ない教室や、手書きでじっくり考えさせたい場面に。3モードとも全7ページ、A4印刷。スタート画面の「ワークシートを紙で使う人はこちら」から開く・ダウンロードできる。

投影スライド

プロジェクター・電子黒板に映してクラス全体を1ステップずつ一斉に進行するための進行台本。ワークシートのSTEP番号と対応しており、紙のワークシートと組み合わせて使うのが基本形。

2コマで1つの調べ学習を完成させる

「ワークシートに沿って授業で進める人はこちら」のスライドを使う場合の、標準的な時間配分の一例です。1コマ完結にしたい場合は、後半(考える・まとめる)を宿題や次回の冒頭に回す形でも進められます。

1コマ目
調べる(ワークシートSTEP 1〜4)

単元・テーマの確認 → 個人またはペアで資料を調べ、ワークシートを埋める。スライドはSTEPの切り替わりだけを示し、机間巡視しながら生徒のペースに合わせて次のSTEPへ。教科書・資料集・タブレットでの検索が中心。

2コマ目
考える・まとめる(ワークシートSTEP 5〜8)

調べた内容をもとに自分の立場・考えを決め、ロジックツリーで理由を整理してまとめを書く。時間があれば数名を指名して発表 → 「なぜそう思ったか」を全体で深掘りする一問一答の時間を最後に5分ほど確保すると、まとめが独りよがりになりにくい。

モード別・STEPごとの
投影内容と記入例

同じ単元「第一次世界大戦と新たな国際秩序」(歴史)と「急成長するアジアの光と課題」(地理)を例に、実際にどう進めるかをSTEPごとに示します。左が投影スライドで見せる内容、右がワークシートに書く内容です。

賛成・反対モード 歴史 · 大正〜昭和前期:デモクラシーと戦争 · 第一次世界大戦と新たな国際秩序
テーマ:「ヴェルサイユ条約はドイツに対して公平だったか」
STEP 1–2調べる内容の確認
投影
「今日は歴史・大正〜昭和前期から『第一次世界大戦と新たな国際秩序』を調べます」とタイトルを映し、単元の位置づけを一言で確認。
記入
科目・時代/単元/分野・節の3欄を埋める。ここは説明しながら全員で一緒に記入させると迷いが出ない。
STEP 3テーマ・問いを決める
投影
候補テーマを2〜3個映し、クラスで1つに揃えるか、班ごとに選ばせるかを決める。
記入
選んだテーマをそのままワークシートのSTEP3欄に書き写す。
記入例

ヴェルサイユ条約はドイツに対して公平だったか

STEP 43つの立場を調べる
投影
賛成派・反対派・中立派、それぞれどんな資料(教科書・資料集・国立公文書館サイトなど)を見ればよいかヒントを示す。教室を回りながら偏った調べ方をしている生徒に声をかける。
記入
3つの立場カードそれぞれに、主な主張・根拠と参考にした資料を書く。
記入例

賛成派:ドイツが戦争を始めた責任は大きく、多くの被害を与えた以上、相応の賠償を課すのは当然。国際連盟という「話し合いで解決する仕組み」ができたことも前進といえる。

反対派:賠償額があまりに大きく、ドイツ経済を破壊した。この不満がのちのナチス台頭の温床になった。「民族自決」もヨーロッパの一部にしか適用されず、アジア・アフリカの植民地には適用されなかった。

中立派:一定の正当性はあるが、行き過ぎた面もある。理想(民族自決・国際協調)と現実(賠償・植民地の継続)のギャップを見る必要がある。

STEP 5共感した立場を選ぶ
投影
「一番納得できたのはどの立場? 挙手してみよう」と全体に問いかけ、クラスの分布を見せると議論が活性化しやすい。
記入
共感した立場にチェックを入れ、理由・自分との関係を書く。
記入例

反対派に共感した。賠償金の重さが後の戦争の原因になったという「結果から見て公平さを判断する」考え方に納得できたから。

STEP 6別の立場を深掘り
投影
「あえて反対の立場から考え直してみよう」と促す。反論を書けない生徒には、隣の人と口頭で言い合わせてから書かせるとスムーズ。
記入
深掘りする立場を書き、気づいたこと・もう一度考えてみるとどう見えるかを書く。
記入例

賛成派を深掘り。当時の視点に立てば、ドイツに責任を問うこと自体は筋が通っている。「結果的に失敗した」ことと「当時の判断が間違っていた」ことは、必ずしも同じではないと気づいた。

STEP 7まとめ:自分の考え
投影
ロジックツリー(主張→理由1・理由2)の書き方を、実際に板書しながら1つ実演する。「なぜ?」を2回重ねると理由が具体的になることを示す。
記入
ロジックツリー(任意)を埋めてから、自分の言葉でまとめの文章を書く。
記入例

主張:ヴェルサイユ条約は理想を掲げながらも、現実には多くの矛盾を残した条約だった。

理由1:賠償金の重さ/根拠:ドイツ経済が破壊されナチスの台頭を招いた/例えば:1920年代のハイパーインフレ

理由2:民族自決の不徹底/根拠:適用されたのはヨーロッパのみ/例えば:アジア・アフリカの植民地は継続された

STEP 8ふりかえり
投影
時間が余れば1〜2名に発表してもらい、「新しく生まれた問い」を全体で共有して次の単元への橋渡しにする。
記入
調べてわかったこと・驚いたこと/新しく生まれた問いの2欄を書く。空欄があっても提出可とする。
記入例

民族自決という「立派な理想」が、実際には都合よく使い分けられていたことに驚いた。今の国際関係でも同じようなことがないか調べてみたい。

もう一つの例:公民 × 賛否モード
賛成・反対モード 公民 · お金・仕事・社会保障のしくみ · お金の流れと消費者の権利
テーマ:「プライベートブランド(PB)商品は消費者にとって良い選択肢か」

公民は生活に身近な商業・消費のテーマとも相性がよい例です。スーパーやコンビニのPB商品(店舗独自ブランド)を切り口に、需要と供給・消費者主権・情報の非対称性といった節のキーワードを実感を持って使えます。STEP4〜7のみ抜粋しています(STEP1〜2・3・8の進め方は他の例と同じです)。

STEP 43つの立場を調べる
投影
スーパーの棚にある「定番ブランド」と「PB商品」の写真・価格を映すと具体性が一気に増す。生徒に家で見たことがあるか聞くと食いつきやすい。
記入
3つの立場カードそれぞれに、主な主張・根拠と参考にした資料を書く。
記入例

賛成派:PB商品は広告費・流通コストを抑えられるため、同等の品質のものをより安く提供できる。消費者が価格を比べて選ぶことで、企業間の競争が促され、消費者主権が発揮されている。

反対派:価格競争力で劣る中小メーカーや地域ブランドが淘汰されるおそれがある。また、実際にどの工場がPB商品を作っているのか消費者に十分開示されないことが多く、情報の非対称性の問題もある。

中立派:安さは消費者にとって魅力だが、多様な商品・生産者が市場に残ることも長期的には消費者の利益になる。製造元の表示を進めるなど、透明性を高めるルールがあればPB普及と市場競争は両立できる。

STEP 5共感した立場を選ぶ
投影
「実際に家でPB商品を買っている人?」と挙手させると、賛否モードの「自分ごと化」がしやすい。
記入
共感した立場にチェックを入れ、理由・自分との関係を書く。
記入例

賛成派に共感した。家でもPB商品をよく買っていて、味や品質は定番ブランドとあまり変わらないのに値段が2〜3割安いことが多く、家計にとってありがたいと感じるから。

STEP 6別の立場を深掘り
投影
「安さの裏で、誰かが割を食っていないか?」という問いを投げ、価格の裏側にある製造・流通の構造に目を向けさせる。
記入
深掘りする立場を書き、気づいたこと・もう一度考えてみるとどう見えるかを書く。
記入例

反対派を深掘り。安さの裏で、価格競争に負けた地域の工場が実は仕事を失っているかもしれないという「見えないコスト」に気づいた。自分が得をしている裏で、誰かが不利になっている可能性を考えていなかった。

STEP 7まとめ:自分の考え
投影
「安い=良い、で終わらせない」を合言葉に、ロジックツリーで価格面のメリットと市場全体への影響の両方を理由として組み立てる実演をする。
記入
ロジックツリー(任意)を埋めてから、自分の言葉でまとめの文章を書く。
記入例

主張:プライベートブランドは消費者にとってお得な選択肢である一方、市場全体で見ると注意すべき影響もある。

理由1:価格面のメリット/根拠:流通コスト削減で同等品質を安く提供できる/例えば:PBの牛乳やお菓子が定番ブランドより2〜3割安い

理由2:市場競争への影響/根拠:価格競争力の弱い中小メーカーが淘汰されるおそれがある/例えば:PBを製造する下請け企業の価格交渉力の低下

切り口モード 地理 · 世界各地の暮らしを旅する · 急成長するアジアの光と課題
テーマ:「アジアの急速な経済成長は人々の生活を豊かにしたか」
STEP 1–2調べる内容の確認
投影
単元のタイトルと大まかな内容(中国・インドの成長、環境・格差問題など)を映し、今日のゴールを一言で示す。
記入
科目・時代/単元/分野・節の3欄を埋める。
STEP 3テーマ・問いを決める
投影
「なぜ?」「どのような?」型の候補テーマを映し、賛否がつけにくい説明・分析型のテーマであることを確認する。
記入
選んだテーマをSTEP3欄に書く。
記入例

アジアの急速な経済成長は人々の生活を豊かにしたか

STEP 43つの切り口から調べる
投影
切り口の決め方の例(経済・環境・くらし、など)をいくつか示す。班やクラスで切り口を統一すると、あとの「比べてみる」がやりやすい。
記入
3つの切り口ラベルを自分で決めて書き、それぞれ調べてわかったこと・特徴と参考資料を書く。
記入例

切り口①経済成長:中国は「世界の工場」として製造業で、インドはIT産業で急成長した。経済特区の設置が中国の工業化を後押しした。

切り口②環境・格差:工業化にともなう大気汚染・水質汚濁が深刻化。都市と農村の所得格差も広がっている。

切り口③人々のくらしの変化:都市化が進み、農村から都市への人口移動が加速。生活水準は上がった人も多いが、変化のスピードに追いつけない地域もある。

STEP 5比べてみよう
投影
「比べる対象」の例(中国とインド/都市と農村/10年前と今、など)をいくつか提示する。
記入
何と何を比べるかを決め、共通点・違いを書く。
記入例

比べるもの:中国とインドの経済成長の仕方

共通点:どちらも人口が多く、安い労働力を武器に成長した。

違い:中国は製造業中心の「世界の工場」型、インドは英語力・数学力を生かしたIT産業中心。

STEP 6自分の考えをまとめよう
投影
「〇〇について、私は△△だと思う。なぜなら…」の文型を映し、意見文の形を示す。
記入
一番気になった切り口を選び、気づいたこと・自分自身の考えを書く。
記入例

一番気になった切り口は「環境・格差」。経済成長は生活を豊かにした面もあるが、その恩恵が全員に届いているわけではないと思う。なぜなら、都市の所得は伸びても、大気汚染の被害は都市の低所得層に集中しやすいから。

STEP 7まとめ:自分の考え
投影
ロジックツリーの書き方を実演。切り口モードでは「理由の根拠が、STEP4のどの切り口から来ているか」を意識させると論理がつながる。
記入
ロジックツリー(任意)→ まとめの文章。
記入例

主張:アジアの経済成長は人々の生活を豊かにした面と、新たな課題を生んだ面の両方がある。

理由1:所得の向上/根拠:貧困から脱出した人が増えた/例えば:都市部の中間層の拡大

理由2:環境・格差の悪化/根拠:大気汚染や農村との所得差が拡大/例えば:都市のスラム化

STEP 8ふりかえり
投影
「もし自分がこの国の政策担当者なら?」など、次につながる問いを一つ投げて授業を締める。
記入
調べてわかったこと・驚いたこと/新しく生まれた問いを書く。
記入例

「経済成長」という一つの言葉の中に、豊かになった人とそうでない人がいることに驚いた。日本の高度経済成長でも同じことが起きていたのか調べてみたい。

もう一つの例:歴史 × 切り口モード
切り口モード 歴史 · 大正〜昭和前期:デモクラシーと戦争 · 第一次世界大戦と新たな国際秩序(賛否モードと同じ節)
テーマ:「第一次世界大戦は、戦場だけでなく人々の暮らしをどう変えたか」

条約の是非を論じる賛否モードと違い、切り口モードでは「戦争」を政治・外交だけでなく、経済・銃後のくらし・占領地の人々といった複数の角度から多角的に迫れます。以下はSTEP4〜7のみを抜粋しています(STEP1〜2・3・8の進め方は上の例と同じです)。

STEP 43つの切り口から調べる
投影
「戦争は戦場だけで起きているわけではない」と一言添え、軍需産業・占領地・銃後(戦場の外の社会)という切り口の例を示す。「総力戦」という節のキーワードがヒントになることを伝える。
記入
3つの切り口ラベルを決めて書き、それぞれ調べてわかったこと・特徴と参考資料を書く。
記入例

切り口①軍需産業と戦時経済:総力戦で軍需品の需要が急増。まだ参戦していなかったアメリカはイギリス・フランスへの軍需物資の輸出や資金の貸し付けで利益を得て、債務国から債権国へと変わった。日本も大戦景気にわき、いわゆる「成金」が多く生まれた。

切り口②戦場・占領地となった地域の人々:ベルギーや北フランスなど西部戦線の周辺は戦場そのものとなり、家や畑を奪われた住民が難民となった。ドイツの占領下では食糧の徴発や労働力としての動員が行われ、民間人の暮らしは大きく制約された。

切り口③銃後のくらしと文化:総力戦のため多くの男性が徴兵され、工場労働に女性が進出した。各国で食糧・燃料の配給制度が導入され、戦意を高めるポスターや歌などのプロパガンダ文化も広がった。

STEP 5比べてみよう
投影
「同じ戦争でも、立場によって経験は全く違う」ことに気づかせる問いかけとして、参戦国と占領された国を比べる例を示す。
記入
何と何を比べるかを決め、共通点・違いを書く。
記入例

比べるもの:参戦国アメリカと、戦場となったベルギー

共通点:どちらも第一次世界大戦によって社会が大きく変化した。

違い:アメリカは戦争を経済的な機会として利益を得る立場だったが、ベルギーは戦争そのものが生活空間に入り込み、住民が難民・被占領者になった。

STEP 6自分の考えをまとめよう
投影
「教科書は『戦勝国・敗戦国』という国単位の説明が中心だが、同じ国の中にもいろいろな立場の人がいる」と補足し、視点を個人レベルに引き戻す。
記入
一番気になった切り口を選び、気づいたこと・自分自身の考えを書く。
記入例

一番気になった切り口は「戦場・占領地となった地域の人々」。教科書では国単位の話が中心だが、実際には同じ戦争でも立場によって経験がまったく違っていたことに気づいた。「戦争の被害」を一括りにせず、どの立場のどんな人の経験なのかを意識して調べることが大事だと思う。

STEP 7まとめ:自分の考え
投影
ロジックツリーの実演。「経済」と「くらし」という異なる切り口を、1つの主張のもとで2本の理由としてまとめる組み立て方を示す。
記入
ロジックツリー(任意)→ まとめの文章。
記入例

主張:第一次世界大戦は、国と国の戦いであると同時に、立場によってまったく違う経験をもたらした「総力戦」だった。

理由1:経済的な明暗の違い/根拠:アメリカ・日本は戦争特需で好景気になった一方、戦場となった地域は生活基盤を失った/例えば:日本の「成金」とベルギーの避難民

理由2:銃後の社会変化/根拠:総力戦のため女性の労働参加や配給制度など、戦場以外の暮らしも大きく変わった/例えば:工場で働く女性の増加

人物モード(歴史のみ) 歴史 · 大正〜昭和前期:デモクラシーと戦争 · 第一次世界大戦と新たな国際秩序
人物:ウッドロウ・ウィルソン(アメリカ大統領)
STEP 1–2調べる内容の確認
投影
単元のタイトルを映す。人物モードはテーマ決めのステップがなく、次のSTEPで直接人物を選ぶ。
記入
科目・時代/単元/分野・節の3欄を埋める。
STEP 3人物を選ぶ
投影
この節に関連する人物の候補(例:ウッドロウ・ウィルソン、原敬、レーニンなど)を映し、生徒が気になる人物を選べるようにする。
記入
人物名と、なぜこの人物を選んだか(任意)を書く。
記入例

人物名:ウッドロウ・ウィルソン

選んだ理由:国際連盟という「今も続く仕組み」を提案した人だから。

STEP 4人生をエピソードで追う
投影
「年表を作るように、人生を3〜5つの場面に分けて追ってみよう」と促す。教科書の年表・人物コラムを参照させる。
記入
エピソードごとに、ラベル(年・出来事名)・何をしたか・当時の出来事や文化を書く。
記入例

エピソード①(1913年 大統領就任):アメリカ第28代大統領に就任し、国内の経済・労働改革を進めた。

エピソード②(1918年 十四か条の平和原則):民族自決・国際連盟の設立などを含む平和原則を発表し、戦後秩序の方向性を示した。

エピソード③(1920年 国際連盟発足):自ら提唱した国際連盟が発足するが、アメリカ議会の反対で自国は不参加という結果になった。

STEP 5今とのつながりを考える
投影
「この人物の考え方・行動は、今の世界のどんな仕組みにつながっている?」と問いかける。国連など現代の組織と結びつけると理解が深まる。
記入
気づいたこと/今の時代と比べての類似点・違い/自分自身の考えを書く。
記入例

ウィルソンが提唱した国際連盟は、今の国際連合につながる考え方だと気づいた。理想を掲げても自国の議会を説得できなければ実現しない、というのは今の政治にも通じると思う。

STEP 6まとめ:自分の考え
投影
ロジックツリーの書き方を実演。人物モードでは「理由」がエピソード①〜③のどれに基づくかを意識させる。
記入
ロジックツリー(任意)→ まとめの文章。
記入例

主張:ウィルソンは理想を掲げて世界を動かしたが、自国をまとめきれなかった人物だった。

理由1:先進的な理想/根拠:民族自決・国際連盟という当時としては新しい考え方を打ち出した/例えば:十四か条の平和原則

理由2:国内合意の欠如/根拠:アメリカ議会の反対で自国が国際連盟に参加できなかった/例えば:1920年の議会採決

STEP 7ふりかえり
投影
「同じ節から違う人物を選んだ人はどんな発見があった?」と数名に聞き、視点の違いを共有する。
記入
調べてわかったこと・驚いたこと/新しく生まれた問いを書く。
記入例

理想を掲げた人がそのまま歴史に評価されるとは限らないと知って驚いた。ウィルソン以外の指導者はこの状況をどう見ていたのか調べてみたい。

もう一つの例:世界史の人物で
人物モード(歴史のみ) 歴史 · 古代:文明・宗教・律令国家 · 人類はどのように文明を築いたのか
人物:ユリウス・カエサル(共和政ローマの軍人・政治家)

人物モードは節の候補人物リストになくても、生徒が自由に人物名を入力して進められます。世界史上の人物にも使える例として、ガリア戦争と内戦を軸にカエサルの人生を追ってみます。STEP3〜7を掲載しています(STEP1〜2の進め方は他の例と同じです)。

STEP 3人物を選ぶ
投影
候補人物リストは日本史中心のため、「この節のリストにない人物でもOK」と伝える。世界史・海外の人物に関心がある生徒の受け皿として使える。
記入
人物名と、なぜこの人物を選んだか(任意)を書く。
記入例

人物名:ユリウス・カエサル

選んだ理由:一人の軍人が、数百年続いた共和政を終わらせるほどの力を持つに至った過程に興味があるから。

STEP 4人生をエピソードで追う
投影
「軍事的成功が、どうやって政治権力に変わっていくか」を追う視点を示す。教科書に載っていない人物は資料集・図説やインターネット検索が中心になる。
記入
エピソードごとに、ラベル(年・出来事名)・何をしたか・当時の出来事や文化を書く。
記入例

エピソード①(前58〜51年 ガリア戦争):ガリア(現在のフランス周辺)に遠征し、8年に及ぶ戦争で全域を征服。この戦功により絶大な軍事的名声と、忠誠心の厚い軍隊を得た。当時はカエサル・ポンペイウス・クラッススによる第一回三頭政治で有力者が権力を分け合っていた。

エピソード②(前49年 ルビコン川を渡り内戦へ):元老院・ポンペイウスとの対立が深まり、「賽は投げられた」と言ってルビコン川を渡り本国に進軍。数年に及ぶ内戦の末にポンペイウス派を破った。共和政の伝統的な権力構造と、軍事力を背景にした個人権力の拡大が正面から衝突した瞬間だった。

エピソード③(前44年 独裁官就任と暗殺):内戦に勝利し終身独裁官に就任。暦の改定(ユリウス暦)など各種改革を進めたが、権力集中を恐れた元老院議員らによって暗殺された。

STEP 5今とのつながりを考える
投影
「軍事的な実績を持つ人物が最高権力を握る」という構造が、現代の制度ではどう防がれているかを問いかける(文民統制など)。
記入
気づいたこと/今の時代と比べての類似点・違い/自分自身の考えを書く。
記入例

軍事的な成功がそのまま政治権力に直結する構造は、現代の一部の国にも見られると気づいた。現代の民主主義では軍の指導者がそのまま最高権力者になることを制度上防ぐ仕組みがあるが、当時のローマの共和政にはその歯止めがなかった。一人の人物の野心や才能だけでなく、それを止められない制度側の弱さも歴史を動かす要因になると思った。

STEP 6まとめ:自分の考え
投影
ロジックツリーの実演。「軍事力」と「制度の限界」という2つの理由が、1つの主張(共和政の終わり)にどうつながるかを示す。
記入
ロジックツリー(任意)→ まとめの文章。
記入例

主張:カエサルは軍事的才能によって共和政ローマの限界を露わにし、帝政への道を開いた人物だった。

理由1:軍事力を背景にした権力掌握/根拠:ガリア戦争での圧倒的な戦功と軍の忠誠がルビコン渡河を可能にした/例えば:8年間に及ぶガリア戦争(前58〜51年)

理由2:共和政の制度的限界/根拠:元老院は軍事的英雄の台頭を止める手段を持たなかった/例えば:内戦後の終身独裁官就任(前44年)

STEP 7ふりかえり
投影
「カエサルの死後、なぜ結局帝政(アウグストゥス)が確立したのか」など、次の探究につながる問いを投げて締める。
記入
調べてわかったこと・驚いたこと/新しく生まれた問いを書く。
記入例

「一人の天才の物語」のように語られがちだが、実際には共和政という仕組みそのものの限界が背景にあったことに驚いた。カエサルの死後、なぜ結局帝政が確立してしまったのかを調べてみたい。

課題探求(demo版) 大テーマ「世界の対立と人権」 · カテゴリ「核保有国間の緊張」
小テーマ:「インドとパキスタンって、両方とも核兵器を持っているのに軍事衝突になったことがあるの?」

課題探求は歴史・地理・公民とは別の4つ目の入り口で、単元ではなく「大テーマ」から始まります。demo版のため、印刷用ワークシート・投影スライドは未対応。本体アプリでの利用を想定しています。

STEP 1–3大テーマ→小テーマを選ぶ
投影
教科選択で「課題探求」を選ぶと、単元ではなく6つの大テーマの一覧が出ることを示す。今回は「世界の対立と人権」を選び、カテゴリ別に並ぶ小テーマから1つをクリックで選ぶ流れを演示する。
記入
選択のみで記入欄はなし。各小テーマのカードには出来事の要約・出典リンク・専門用語の解説(開閉式)が付いており、選ぶ前に内容を確認できる。
STEP 4テーマ設定の理由
投影
「ニュースで見た」「身近な出来事と関係する」など、なぜその疑問が気になったのかを一言で考えさせる。選んだ疑問に合わせた参考ヒントが表示されることも伝える。
記入
選んだ理由を自分の言葉で書く。参考ヒントの「例を使う」でそのまま反映することもできる。
記入例

核保有国どうしの軍事衝突から1年という報道を見て、なぜ核兵器を持つ国どうしがそれでも軍事衝突に至ったのか、今はどうなっているのか調べてみたいと思ったから。

STEP 5関連する法・ルール(任意)
投影
「日本国憲法だけがルールではない」ことを伝える。国連憲章や国際条約も広い意味での「法・ルール」であることを示す。「書けなくてもOK」の任意ステップであることも確認する。
記入
わかる範囲で書く。対応するデータがある小テーマでは参考ヒントが自動表示される。日本国憲法に関係しない疑問では表示されないこともある。
記入例

この対立は日本国憲法とは直接関係しない。核兵器を保有する国どうしの軍事衝突として、核拡散防止条約(NPT)の枠組みや、国連憲章が定める武力行使禁止の原則との関係で国際的に議論されている。

STEP 63つの立場を調べる
投影
ここから先は公民の「賛成・反対モード」と同じ流れに合流することを説明。テーマ「国際社会は核保有国どうしの軍事的緊張にどう向き合うべきか」に対して、賛成・反対・中立それぞれの参考ヒントが選んだ疑問専用に用意されていることを示す。
記入
3つの立場カードそれぞれに、主な主張・根拠と参考にした資料を書く。
記入例

賛成派:核兵器を持つ国どうしの衝突は、一歩間違えば核兵器の使用にまでつながりかねない。国際社会が積極的に仲介し、対話の場を設け続けることが不可欠だ。

反対派:当事国どうしの歴史的な対立(国境や宗教、水資源など)が根深く、外部からの介入だけでは根本的な解決は難しい。まずは当事国どうしが信頼を積み重ねる努力が必要だ。

中立派:外部の仲介で停戦は実現したが、根本的な対立要因(領土・水資源・過去のテロ事件への感情)は解消されていない。短期的な停戦の維持と、長期的な対話の枠組みづくりの両方が必要だ。

STEP 7共感した立場を選ぶ
投影
「停戦したのに、なぜ緊張が続いているんだろう?」と問いかけ、表面的な停戦と根本的な対立の違いに注目させる。
記入
共感した立場にチェックを入れ、理由・自分との関係を書く。
記入例

中立派に共感した。停戦は実現したものの、水資源や過去の事件への感情など、根本的な原因はまだ解決されていないと思うから。

STEP 8別の立場を深掘り
投影
「当事国だけに任せていたら、この衝突はどうなっていたか」と問いかけ、外部の仲介が果たした役割に目を向けさせる。
記入
深掘りする立場を書き、気づいたこと・もう一度考えてみるとどう見えるかを書く。
記入例

賛成派を深掘り。核兵器を持つ国どうしの衝突は本当に一歩間違えれば取り返しがつかない。国際社会が仲介を続けることの重要性は、当事国だけに任せていては見えてこない視点だと気づいた。

STEP 9まとめ:自分の考え
投影
ロジックツリーの書き方を実演。「短期的な視点(停戦の維持)」と「長期的な視点(対話の枠組み)」という2つの理由で1つの主張を支える組み立て方を示す。
記入
ロジックツリー(任意)を埋めてから、自分の言葉でまとめの文章を書く。
記入例

主張:インド・パキスタンの軍事衝突は、核保有国どうしでも武力衝突が起こりうることを示した出来事だった。

理由1:停戦の脆さ/根拠:アメリカの仲介で停戦したが対抗措置が続いている/例えば:インダス水条約の運用停止と農家の反発

理由2:対立の根深さ/根拠:領土・水資源・過去のテロ事件への感情が解消されていない/例えば:停戦1年後も続く両国の強硬姿勢

STEP 10ふりかえり
投影
「他にも核兵器を持つ国どうしの緊張関係はないか」と次の探究につながる問いを投げて締める。
記入
調べてわかったこと・驚いたこと/新しく生まれた問いを書く。
記入例

核兵器を持つ国どうしでも、実際に軍事衝突が起きることがあると知って驚いた。他にも核保有国どうしの緊張関係がないか、調べてみたい。

もう一つの例:生命倫理と自己決定 × 課題探求
課題探求(demo版) 大テーマ「生命倫理と自己決定」 · カテゴリ「終末期・死をめぐる選択」
小テーマ:「『安楽死』と『尊厳死』って同じもの?外国では認められている国もあるって本当?」

1つ目の例(インド・パキスタン)は日本国憲法と直接関係しない国際問題でしたが、この例は逆に、憲法第13条(自己決定権)に直接つながる小テーマです。STEP4〜6のみ抜粋しています(STEP1〜3・7〜10の進め方は他の例と同じです)。「関連する法・ルール」の欄で参考ヒントの中身がどう変わるかを見比べさせると、課題探求が「日本国憲法に関係する疑問」と「関係しない疑問」の両方をカバーしていることが伝わります。

STEP 4テーマ設定の理由
投影
「安楽死」と「尊厳死」の違いをまず確認してから、なぜこの疑問が気になったのかを考えさせる。
記入
選んだ理由を自分の言葉で書く。
記入例

海外で安楽死が広がっているというニュースを見て、日本ではなぜ認められていないのか、尊厳死とはどう違うのか調べてみたいと思ったから。

STEP 5関連する法・ルール(任意)
投影
この例では日本国憲法の条文(第13条)に直接つながることを示し、1つ目の例(国際法のみが関係するケース)との違いを対比させる。
記入
わかる範囲で書く。対応するデータがあるため参考ヒントが自動表示される。
記入例

自分の死に方を自分で決める「自己決定権」(第13条)が根拠として主張される一方、悪用や「弱い立場の人への圧力」につながらないかという懸念もあり、尊厳死(延命治療をしない)以上に慎重な議論が必要とされている。

STEP 63つの立場を調べる
投影
公民「賛成・反対モード」と同じ流れに合流する。テーマ「安楽死を法律で認めるべきか」に対する賛成・反対・中立それぞれの参考ヒントが、この小テーマ専用に用意されていることを示す。
記入
3つの立場カードそれぞれに、主な主張・根拠と参考にした資料を書く。
記入例

賛成派:回復の見込みがなく耐えがたい苦痛が続く場合、本人が望むなら、医師の手を借りて安らかに人生を終える選択肢があってもよいのではないか。

反対派:一度認めてしまうと、本人の意思ではなく周囲の都合で「安楽死を選ばされる」ケースが出てくる危険がある。歯止めがきかなくなることが最大の懸念だ。

中立派:海外の事例を見ても、悪用を防ぐ厳格な手続きがあってはじめて成り立っている制度だとわかる。日本で議論するなら、まず尊厳死の法整備を先に進め、その先の課題として慎重に検討すべきだ。

よくある場面への対応

クラス全体を一斉に進行するときに、実際に起こりやすい場面と対応の一例です。

生徒によって進むスピードがバラバラ

スライドはあくまで進行の目印。速い生徒には「もっと深めるなら」ページを先に触らせ、遅い生徒にはSTEP4の資料を絞って提示するなど、スライドの表示ステップと個々の作業ステップを厳密に一致させなくてよい。

意見・切り口がクラスで偏る

賛否モードで賛成派に偏った場合、STEP6「別の立場を深掘り」を全員に反対派で固定して取り組ませると多角的な視点が強制的に確保できる。切り口モードでも、全員に共通の切り口を1つ指定する方法が有効。

まとめの文章が書けない

「一番納得できたのは?」「一番驚いたのは?」と一言で答えられる質問を口頭で聞き、その答えをそのまま書き出させると動き出しやすい。ロジックツリーは無理に埋めさせず、書きたい生徒だけ使わせる。

時間が余った・足りなかった

余った場合は「もっと深めるなら」ページ、または人物モードなら別の人物で追加調査。足りない場合はSTEP8ふりかえりを次回冒頭の5分に回し、STEP7までを今回の完了ラインとする。